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肋骨の外旋とアライメント評価について

目次

評価がなぜ大切か

プリマでは一人一人異なるお客様の目標を叶えるお手伝いをすることを大切にしています。

そのために、お客様に効果を実感していただくことは重要なポイントになります。

ピラティスマシンを使ったエクササイズは何百通りとありますが、エクササイズはお客様の目標を叶えるためのあくまで「手段」の1つということを忘れないようにしなくてはいけません。

エクササイズをこなすだけにならないように、一人一人の方の目標に対して最適なエクササイズを選択できているか?そもそもその前の「評価」は適切なものを正しく行えているか?がとても大事になります。

またレッスンについても同様で、ただエクササイズをこなすだけではなく、お客様の代償動作を修正し正しいフォームを引き出すための工夫、キューイングやタクタイル、プロップスを使い分けるなどのスキルが大切になります。

効果をしっかりと出せているということは、レッスンの質・コミュニケーション共に高いクオリティを維持できているということ。
目の前の方に効果を出せているかどうか、常に問いかけてみてください!

肋骨外旋位とは

まずは肋骨がどのように動くかについて説明します。

息を吸った時に上位の肋骨は引き上がり、下位の肋骨は前後左右に広がります。このとき、肋骨は外旋の動きをしています。

吐く時に肋骨は元の状態に戻っていきますが、この時は内旋の動きをしています。

カイホ・ロードシス(胸椎後弯・腰椎前湾姿勢)やロードシス姿勢(腰椎前弯姿勢)のクライアントでは、肋骨の角度が90度以上になっている・肋骨が前に突出しているなど肋骨が外旋位になっているケースが多くあります。

ロードシス姿勢
腰椎の前弯が強い姿勢。肋骨の外旋位、骨盤の前傾を伴う。腹部の筋力低下や股関節屈筋群の短縮、股関節伸筋群の延長などが見られる。
後弯前弯タイプとの違いは、胸椎の後弯は正常であること。

肋骨が外旋位になると、腹筋群の筋力低下や腰痛の原因になるだけではなく、肩甲骨が前傾(矢状面で見た時に前に傾れた状態)することで、前鋸筋の機能低下小胸筋の短縮も起きやすくなります。

小胸筋の短縮により巻き肩になったり、前鋸筋の筋力低下により腕が上げにくくなり肩の痛みが発生するなどの問題が起きます。

改善のアプローチについて

先述したように肋骨外旋位は多くの問題が起きやすいため、改善するためにアプローチしていくことが大切になります。

改善のためのポイント
・どのエクササイズを行う時も肋骨をしっかりと内旋位に持っていくことが大切になる。うまくできない場合は、肋骨の内旋を引き出すためにタクタイルを使用することが有効。

呼吸により肋骨の可動性を高め内旋位を引き出す。

・どのエクササイズでも同じですが特に腹筋群のエクササイズを行う際、脊柱の屈曲や回旋とともにフィニッシュポジションで息を吐ききるようにする。

次に、改善のためのエクササイズを選ぶポイントについてです。

エクササイズを選ぶポイント
・脊柱を屈曲させるエクササイズ→肋骨を内旋位を引き出す
・上部脊柱起立筋や広背筋のストレッチができるもの→脊柱起立筋の上部や広背筋の短縮があると脊柱屈曲や肋骨内旋を妨げるため、ど先に柔軟性を確保しておく

次に、エクササイズ例です。

〈エクササイズの例〉
スパインフレクション、スパインフレクションツイスト、ニーリングキャットストレッチ、カールアップ、ペルビックリフト、タワーロールダウン、エクスターナルローテーション等

カールアップで腹直筋をうまく使えない場合

マットやリフォーマーで行うカールアップの動作は肋骨内旋の改善に良いエクササイズですが、腹斜筋と連結している前鋸筋に筋力低下がある場合や広背筋や脊柱起立筋の緊張が強い場合はいきなりカールアップを行うのが難しいケースもあります。

その場合、まず先に前鋸筋を活性化させる工夫をすることも有効です。次に紹介するやり方は、いずれも腹直筋とともに前鋸筋に力が入りやすくなります。

例)タワーで手にスプリングをかけて行う、ピラティスリングを持って行う、リフォーマーで四つ這いのラウンドバックを行う、など

この記事を書いた人

プリマ代表。
NSCA認定パーソナルトレーナー。
バーオソルクニアセフメソッド®︎資格認定講師。
バレエ歴約30年以上。国内のコンクールで上位入賞多数。
世界大会ファイナリスト。奨学金で海外のバレエ学校に留学。
自身のバレエ経験とパーソナルトレーナーとしての解剖学・科学的知識、ピラティス経験を生かして、バレエ未経験でも安全で効果的に行えるパーソナルトレーニングを考案。
500名以上にパーソナルトレーニングを指導した後、2018年よりプリマ名古屋店を開設。